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2008年04月 アーカイブ

2008年04月17日

金箔酒
おめでたいときには、酒に金箔を浮かべたり、料理に金箔をふりかけたりする。慣れない人は「金箔をそのまま食べても、大丈夫なのかな?」と思ったりするが、隣の酔っぱらいのおじさんに、「体にいいんだから」とすすめられたりする。たしかに、亜鉛や鉄分などの金属は、体に重要な栄養素である。金箔もまた、本当に体にいいのだろうか?現実には、金箔は体にとって何の効能もない。金箔を食べても、人間の胃液では金箔を溶かすことはできない。金箔を溶かせるのは、濃硝酸と濃塩酸との混合液である「王水」だけで、胃液に含まれる塩酸やペプシンでは溶けない。また、腸でも消化できないので、結局、金箔は入ったときと同じ状態で、大便として排出されていく。つまり、金箔は毒にもならない代わりにクスリにもならない。単に、おめでたい雰囲気を演出するだけの役割なのである。(「どうにもヘンな疑問」 雑学博士協会) 同じ本に、現在世界で確認されている金の埋蔵量は、約七万二○○○トンで、これは今まで産出された総量の半分で、海底にはまだ大量にあるだろうと記されています。なににせよ、ラーメンに金箔をかけて食べるとか、酒に金箔を入れて飲むといった、もったいないことはひかえるべきでしょう。

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2008年04月25日

「にごりえ」のお力の飲みっぷり

「にごりえ」のお力の飲みっぷり
下座敷はいまだに客の騒ぎはげしく、お力の中座したるに不興(ぶきょう)して喧(やかま)しかりし折から、店口(みせぐち)にておやお皈(かえ)りかの声を聞くより、客を置きざりに中座するといふ法があるか、皈つたれば此処(ここ)へ来い、顔を見ねば承知せぬぞと威張(いば)りたてるを聞き流しに二階の座敷に結城を連れあげて、今夜も頭痛がするので御酒の相手は出来ませぬ、大勢の中に居れば御酒の香に酔ふて夢中になるも知れませぬから、少し休んで其後は知らず、今は御免なさりませと断りを言うてやるに、夫れで宜(い)いのか、怒りはしないか、やかましくなれば面倒であらうと結城が心づけるを、何(なん)のお店(たな)ものゝ白瓜(しろうり)が何(ど)んな事を仕出しませう、怒るなら怒れでござんすとて小女(こおんな)に言いつけてお銚子の支度、来るをば待ちかねて結城さん今夜は私に少し面白くない事があつて気が変つて居ますほどに其気(そのき)で付合て居て下され、御酒を思ひ切つて呑みまするから止(と)めて下さるな、酔うたらば介抱して下されといふに、君が酔つたを未(いま)だに見た事がない、気が晴れるほど呑むは宜いが、又頭痛がはじまりはせぬか、何が其様(そん)なに逆鱗(げきりん)にふれた事がある、僕らに言つては悪るい事かと問われるに、いま貴君(あなた)には聞て頂きたいのでござんす、酔うと申(もうし)ますから驚いてはいけませぬと嫣然(えんぜん)として、大湯呑(おおゆのみ)を取よせて二三杯は息もつかざりき。(「にごりえ」 樋口一葉)これで一つの文章です。

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2008年04月30日

昭和二〇年一月一日の酒

昭和二〇年一月一日の酒
皮肉なことに、日本製のウィスキーにはじめてお目にかかったのは、敗戦の年の一月一日、琵琶湖畔にあった海軍練習航空隊の食堂であって、錨のマークのついた白ラベルのポケット瓶が一本ずつ、テーブルの上に立っていて、ぼくらは、そのウィスキーで新年を祝ったものだ。敗戦後は、カストリ焼酎、アルコールを水にわっただけのバクダン、それにブラックマーケットで醸造(?)された怪しげなウィスキーをこわごわと飲み、やがてビール、日本酒と進化して行くのだが、外貨のない日本では、庶民にとって、スコッチなどは夢の中でだってお目にかかれるものではなかった。メチルアルコールで目がつぶれなかっただけでも、ぼくは神に感謝しなければなるまい。(「スコッチと銭湯」 田村隆一) よく聞く話ですが、海軍とはヘンなところだったようですね。

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